第3章 激動の序章曲
【歌side】
入学式という行事を吹っ飛ばし、いきなり個性把握テストを実施したその次の日のお昼休み。
麗「そういえば、歌ちゃん、デクくんのこといっくんで呼ぶよね」
『ん?…そうだねー』
いっくんと飯田君、お茶子ちゃんと学食でお昼を一緒に食べていた時、お茶子ちゃんからの唐突な発言だった。
麗「でも、爆豪くんのことは、爆豪、だよね」
天「そういえばそうだな…。」
二人の呼び方にどうやら疑問を持っていたらしい。
『…あー、それね。実は私、小学3年生までいっくん、爆豪と同じ学校に通っててさ。』
緑「…まぁ、俗にいう幼馴染ってやつでした。」
「「でした??」」
いっくんの過去形発言に二人は首をかしげる。
『うち、母子家庭でお母さんが亡くなってからいろんな親戚の家を転々として…最終的には鎌倉のおばあちゃんちに落ち着いたんだー。』
麗「そうだったんだ…。」
『や、別にだからと言って何かがあったわけじゃないし!』
お茶子ちゃんから同情を買うような言い方・発言をしてしまい、すぐさま訂正する。
天「どうりで優雅崎さんと緑谷くん、爆豪君とは距離が近いわけなんだな。」
飯田君は納得したように顎に指をあてる。
『そーゆーこと!…ごちそーさま!』
緑「えっ、歌早っ!」
『うん、ちょっと行くところがあるからね』
麗「行くところ?」
お茶子ちゃんが首をかしげる。
…かわいいっ、ぶっちゃかわいい!
『うん、屋上に行ってくる』
それじゃ!と、軽く挨拶をして、お盆を返却口へと持っていく。
そして、すぐさま屋上へと向かった。