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漂流者案件承ります。〜女主人の細腕宿飯日記〜

第2章  弍〜商談〜


「…その話詳しく聞かせろオカマ。」

気づけば皿いっぱいのタルトを食べ尽くして、ソファーに踏ん反りかえっている信長。
与一とサン・ジェルミの部下のブーイングを一喝して話しだす。


「2025年、『パーフェクトホスピタリティ』や『一人旅館』と称えらた天才料理人よ。」

驚く周りも気にせず等々と話すサン・ジェルミは止まらない。


「料理だけじゃなくて、掃除洗濯、子守に介護にカウンセラー!東洋医学と会計にも明るい人材なんて喉から手が出るほど欲しいわよ!!」


彼の言葉に、それは欲しいと同意する信長の横で聞いていたシャイロックは笑顔を絶やさない。
その言葉が事実なら、あまりに良い買い物だったからだ。


「彼女の世界の資格?の価値がよく分からなかったが、これで理解出来たよ。ケイカさんはもっと相応しい部署を用意しないとな…」

その言葉に待ったをかけるサン・ジェルミと更に乗る信長。


「ちょっとアンタ‼︎幾らで雇ってんのよ‼︎ドリフなんだからウチに寄越しなさいよ‼︎」

「愛人にでもしておったのか?見目麗しい娘だからのう…夜な夜な夜伽とは…」


信長の言葉に否定も肯定もせず、ニヤリと笑うシャイロック。だが等の本人は耳まで真っ赤になり大慌てで否定しだす。

「⁉︎っち違います‼︎愛人じゃありませんし、よっ…夜伽なんてしたことありません‼︎
仕事は厨房の賄い作りと商店の掃除婦です‼︎」


それを聞き、さもつまらなそうにする第六天魔王。
ソファーから立ち上がって大番頭にとんでもない交渉をはじめる。


「のう商人。儂らに飯と小遣いをくれる話を承諾してくれたんじゃろ?…なら、コチラが傷を癒せる場所もくれ。
有能な兵士を失いたくはないし、何より疲労は軍の指揮が落ちる。」


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