第8章 心配性な旦那さん
診察の結果は、
インフルエンザの一歩手前だそうで
思わず"一歩手前?"って
夫婦揃って言っちゃったよ(笑)
それで今はベッドで点滴をしてて、
だいぶ落ち着いた。
「大丈夫?」
和也は少し汗でベタついた私のオデコを撫でながら優しく微笑んでくれてる。
『ん、だいぶ……いい』
「……よかった」
本当に心配したんだろうね。
ただの風邪なのにさ?
なんかそんな和也は新鮮で楽しかった。
『和也……ゴホッゴホッ』
「喋んないでいいよ」
『イヤだ』
「イヤって(笑)……で、なに?」
私は重い自分の手を和也の頬に触れて、
優しく撫でてあげた。
「誘ってんの?奥さん(笑)」
『ゴホッゴホッ……バカ』
「……なによ、じゃあ」
『いや……よかったなと思って……』