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第1章 静寂が囃し立てる/左門/現パロ


放課後、部活前の神崎君に差し入れをあげた(クッキーです)。「つかれた時は甘い物だよ」、と彼にそれを押し付けると「おーありがとう」と喜んでくれた。
今日もあんぐり口を開けっ放しの神崎君。


「コレおまえが作ったの?」
「そう。神崎君は頑張りすぎだからね、甘い物で元気つさせてあげようと思って」


部活も、あの委員会も、大変じゃん。私がそう言うと神崎君は「でもじぶんで選んだことだから」と呟いてへらりと笑う。…男前か!



「…あのさー」
「?」

クッキーをでっかいエナメルのカバンにしまいながら、神崎君が言った。

「…マネージャーが足りないんだ」

「へ?」
「色々サポートして、部を助けてくれる人探してるんだけど…」


「いてくれたらすごく助かるんだ」彼はそう言って、ちらりと私を見た。


「…、私にやれって事?」
「まぁ、うん」

「ダメよ!」私は首をぶんぶん横に振った。「マネージャーはね、可愛くて学校のアイドル的な人じゃないとダメなの!」


「…は?」
「ダメなの!」
「えっなんで?」
「そういうルールなんだよ!マネージャーが可愛くなきゃみんなの士気にも関わるっ」
「…おまえ漫画の読みすぎじゃない…?」
「そんなに読んでないよ!」


理不尽に憤る私も、とにかく必死だったのだ。す、好きな人の部のマネージャーやるなんて青春なまねは私には似合わない。差し入れは…十分青春かもしれないけど…。



「そんな事言わないでさあー。…それに、は可愛いよ」


「?!」



不意討ちの一言に、私は顔から火が出るかと思った(さっきあぶらとり紙で拭いたばかりなのにまた脂汗かいちゃう!)。私はますます抵抗し半狂乱になり、こんな事を口走ってしまった。



「じゃっじゃあ、私マネージャーになっちゃったら時間が無くなって、今日みたいな差し入れ作れなくなっちゃうよ!」

良いの!?
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