第11章 大野さんとの1日
何だろう
この感じ…
何か大事なことを
見逃しているような…
撮影中の大野さんを
ジーっと見ながら
考える。
なんだろ…この違和感
「はい、カットォォ!!」
まただ…
今ので5回目
「ふふ。すいません(笑)」
今日は随分と
NG多い気がするな…
「大丈夫?
今日多いねぇー(笑)」
なんて、スタジオ内は
すごく和んで落ち着いた
雰囲気だし
大野さんも
にこにこしてて
いつも通りなんだけど…
私の気のせい?
だったらいいんだけど…
そう言えば今日
やけに飲み物頼まれたな。
いつものポ〇リね(笑)
ほんと好きだよね
なんて
心でニヤけてると
ふと、大野さんのかく
汗の量が異常なことに
気づく。
あれ?
ん?
これか、
違和感!
けっこうNGがでたみたいで
撮影を一時中断して
休憩をはさむことになったようだ。
私は急いで
監督さんと話し込んでる
大野さんの
所まですっ飛んでいって
飲み物を渡しながら
『大野さん。』
と呼ぶ。
「あ、雛ちゃん、
ありがと。」
と言って
飲み物を取った手を掴んで
こちらに引き寄せ
おでこに手を添えた。
「えっ!?」
キョトンとしてる
大野さんは今は無視。