第13章 M.J....
私の後ろで
髪の毛をくしでといている
牧さんを鏡越しに
ジーっと見ていると
「なに?」
と冷たく
言われた。
げっ、
気づかれてた!?
『い、いえ…!』
私は自分に向き直る。
すると
牧さんが
「なんか…気…悪くした?」
髪をときながら
こちらを見ずに
聞いてきた。
えぇしましたとも!
なんて言いたかったけど
『あ…いえ、その、』
はっきりどっちとも
言えなかった。
「そっか。
俺、言い方キツいし
女の人苦手だから
つい、あーいう感じで
言っちゃうんだよね。」
謝罪のつもりなのかな?
絶対にこちらを
見ようとしない
牧さん。
「でもさ…
こうやって
髪つついてると
落ち着くっていうか、
素直になれるんだよね。///」
少し照れながらも
言ってくれた牧さん
ここで気のきいたこと
言えたらいいんだけど
『そうなんですか…
あ、あの、
気にしないでください。
私も分かってたことですし、
むしろ自分の立場を
わきまえれたっていうか…;;』
さっきイライラしてたのは
全て忘れて
こういう人の弱味とか
見ちゃうと
全力で味方してしまうタイプなんです。
なんていう性格だよ私!
「すいません
せっかく松本さんが
連れてきてくれた人なのに。
俺、俺の方が
松本さんと長いのに
取られた気分になってたというか、
松本さんは俺の兄みたいな
存在だから…。」
急に
バーって話し出した
牧さん。
『そうですか、
なんか、こちらこそ
しゃしゃり出てきて
すいません。』
それから
牧さんは
いろんな話を
聞かせてくれた。