第36章 私立リアリン学園!14時間目~ロベール~
夜―――。
疲れきった身体をベッドに横たえ、世界史の資料集に目を通していく。
ウイルツ、シュタリー国、ネープルス王国………様々な聞き慣れない国名が並んでいるのを、重い瞼をなんとか維持し、読み進めていく。
小国の歴史は、戦争ばかりだった。土地や資源の奪い合い、支配力の拡大。平和を求め、そのためにまた争いが繰り返された。
この辺り、ゴチャゴチャだなあ。とてもじゃないけど、覚えられそうにない。けれど、今の文化やしきたりが、その頃存在していた国から受け継いでいることが多そうなので、後々のことを考えると覚えておいた方がよさそうなのは、確かだ。
『小国同士の争いが激化していく中で、ブランデン王国は、諸外国の侵略によって国家としての地位を失い、その後、アルデリア王国に吸収されることとなった』
その一文に、あれっと思う。
もしかして、ロベール先生が言っていた国って、ブランデン王国の事だったのかな。
傍らで充電していたスマホを取り出して、ブランデン王国と検索してみる。
けれど、それらしいページが出てこない。
なんでだろう?
―――明日、聞いてみようかな。
ああ、眠くてもう、無理………。
そのまま、どんどん目は閉じていき、深い深い眠りに落ちていった―――。