第34章 私立リアリン学園!13時間目~レイヴィス~
誰もいなくなった音楽室で、部長の泣き声だけが延々と響き渡っている―――。
幾度目かの深いため息をつく。
………この人のこの変わりよう、どうしたらいいんだよ?
鬼の形相で指揮棒握ってる人と同一人物とは、到底思えない。
額に手をあて、軽く目を閉じる。
頭、痛くなってきた………勘弁してくれ。
仕方なく、部長の隣りにしゃがむ。
嗚咽を漏らしながら、涙を拭おうともしないで、ただ泣き続けている。
ウワーンッ、ワーン、ワーンッ!!
………グズッ、ズッ、グス、グスンッ。
しばらくすると―――やっとフェードアウトしてきたようだ。
黙ってハンカチを差し出す。
受け取ると、すぐにゴシゴシと目を擦り、ズズズッと鼻をかんだ。
そうして、俺にハンカチを返そうとしてきた。
「一生、返さなくていいです」
「あ………それなら、遠慮なく」
そう言うと、またズビッと鼻をかむ。