第34章 私立リアリン学園!13時間目~レイヴィス~
しばらく演奏に聴き入っていると、下校時間を告げるチャイムが、オーケストラの演奏と混ざり合う。
それでも、指揮者の手は止まらない。だから、演奏も止まらない。それだけ集中してるってことか。
と、ステージ袖に人影が見えた。
………あれ?今のって、ユーリじゃない?
チラリと姿を現したけれど、すぐに奥へと消えてしまった。
あんな所で何してるんだろう?ユーリもオーケストラのメンバーなのかな?
声をかけに行きたいところだけど、今、私がステージへと向かって行ったら、気が散ってしまって演奏を中断しかねない。
………待っていても終わる気配もない。
仕方なく、諦めて静かに立ち上がり、ホールを後にした。