第33章 私立リアリン学園!~アルバート~ 情熱編
そして、数分後―――。
二人並んでベッドに横になっている。
甘えるように俺の胸に頬を擦りつけ、嬉しそうに微笑んでいる。
今まで生きてきた中で、これほどの幸せを感じたことがあっただろうか。
なんて穏やかで甘い時間なのだろう。
いや、しかし、いつまでも浸ってばかりはいられない。
まずは、ゼノ様に報告するべきだろう。彼女のご両親にも挨拶に行かなければ。
婚約指輪も必要だ。そうだ、指のサイズを測ろう。
卒業したらシュタインに戻り、すぐに式を挙げよう。
結婚式場に新婚旅行先を探さなければ。
それから、家だ。
ゼノ様の側近としては、城を離れて住むのは難しいだろうが、できれば城下にこじんまりとした家を建てたい。仕事も大事だが、家族との時間も大切にしたい。
彼女に似たかわいい女の子が欲しい。男の子もいい。俺の跡継ぎも必要だからな。しかし、そうなると彼の将来への選択肢がなくなってしまう。そうだ、男の子は二人以上いるといいだろう。きっと、一人は俺の跡を継ぎ、立派な騎士となってくれるだろう。
子どもは多い方がいい。