第33章 私立リアリン学園!~アルバート~ 情熱編
「あなたは、今、やめてと言いましたよね。嫌だったのですよね?だから、俺はやめたのですが」
「嫌、じゃない、よ?」
「………っ!!では、なぜ、やめてと言ったのですか?」
「くすぐったかったから、かな」
「で、では、続けてもよかったということですか?」
思わず声がうわずってしまう。
「それ、聞くの?あの、ね、耳は、ちょっと………」
「ちょっと、何ですか?はっきり言われないと分からないのです。耳は、嫌なのですか?」
「いや、そうじゃなくて………あ、また『いや』って言っちゃった。う~んと。言い方が難しいね。えっと、耳、イイ、です」
恥ずかしそうに目を伏せながらも、耳がイイと言いきった!!!
「な………っ!?」
つまり、なんだ?
『嫌よ嫌よも好きのうち』―――この言葉の存在自体が疑問だったが、今の状況はまさに、これなのか!?
なぜ女性とは、こんなにも複雑なのだろう。好きなものは好き、嫌なものは嫌と簡潔明瞭にできないのだろうか―――?