第33章 私立リアリン学園!~アルバート~ 情熱編
「いいよ、着てあげる」
意を決して、そう告げると。
「では、お願いします」
そう言うと、アルバートは立ち上がりベッドの真ん中へ行き、私に背を向けて正座をした。
なんで正座してるんだろう………?
不思議に思って首を傾げながらも、思いきって服を脱ぎ、メイド服に袖を通す。
あたり前だけど、ピッタリ。
ピンクを基調とした、キュッと締まったウエストにたっぷりフリルのミニスカート。レースの白いエプロンと胸元の大きなピンクのリボンの甘くロリちっくな制服。
着てみて、やっぱり私のだと実感する。
「どお?」
声をかけると、アルバートは正座のままこちらへに向き直る。
「リリカっぽいと言えば言えなくもない」
「っぽい、じゃなくて、リリカだよ、リリカ本人!」
私は、わざと不満気にふくれてみせる。
「いや、しかし………やはり何かが違う。クリンクリンの巻き毛に茶髪で、ピンク入ってましたよね。目がパッチリで、まつ毛も驚くほど長かった」
「そりゃね、カラーリング、エクステ、ヘアアイロンにメイク。毎日時間かけて別人になりきってたからね」
「なぜそこまでしてリリカを演じる必要があったのですか」
「なぜって………私、普段は教師を目指す真面目ちゃんだったからね、どこかで冒険したいなって思ってたんだ。けど、そんな簡単に変われないからね。あんまりハメ外しちゃうと教師になれなくなっちゃうし。ひと時でも別の人生歩めたらって始めたのがメイドカフェだったんだ」