第29章 私立リアリン学園!11時間目~イケヴァン・アーサー~
「ホントにコレ、美味いね。外に食べに行く必要ナシ。あと食堂以外で食べるトコってある?」
アーサーが、話題を変える。
「購買があるよ。パンとかおにぎりとか売ってるの。コンビニみたいな感じ。あとはお弁当作ってきたりして、皆、学園の好きな所で食べてるよ」
「ふーん、マインの手作り弁当を中庭で食べるってのもイイかもね」
「私が作るの!?」
「俺が作ってもイイけど?なんなら、一緒に作る?」
「ええっと」
「マインって、すぐ冗談真に受けるんだねー」
「………単純って言いたいわけ?」
「いや、カワイイな~って」
「は?カワイイって………」
アーサーにジッと見つめられて焦る。
も、もう、この人のペースに乗せられっぱなしだよ!
急いで視線を逸らす。
「ねー、学園のコト、俺達にいろいろ教えてよ」
「教えてって言われても。私だって、まだ来たばっかりだから知らないことだらけなんだよね。あ、ジル教頭の方が適任だよ。なんでも知ってるもん」
そこまで言って。さっきの険悪な空気を思い出す。
「あのね、ジル教頭は、厳しそうに見えるけど、熱心ですごくいい先生だよ」
と、フォローしてみる。
「それは知ってる。けど」
不自然に言葉を切るアーサー。