第4章 ピアノレッスン~シド~
「はぁ………あ………ん」
身体がふわりと浮いた感覚がして………。
立っているのがやっとなくらい、意識が朦朧としている。
ハッ、ハ―――ッ。
肩で、荒い息をして。
身体中に訪れる充足感と倦怠感。
それが、なんとも心地良くて。
と、同時に、自責の念にかられる。
ああ。
達してしまった―――。
視界がぼやける。
ガクガクと小刻みに震える膝。
上がったままの脚から、力がゆっくりと抜けていく。
も、脚に、力が入らない………。
「おっと」
体勢を崩した私を、シドが片手を腰にまわして支える。
ズルリッと、シド自身が私のナカから抜け………。
―――!!
その瞬間、シドから開放された―――!
そう、思った。
身体をひねり、シドの腕の中からすり抜けようとする。
………だけど。
そんな私を封じ込めるように、強い力で抱きしめられる。
それから、耳全体を口に含まれ―――。
「レッスンは、まだ終わってねえ………もっと、イカせてやる」
ヌチャリッ、と、耳の中でシドの舌がうごめく。
その仕草に、ゾクリと全身が粟立つ。
「お願い………もう、許して」
小さな声で懇願する。
「さっきみてえに思いきり声、出せよ。ここは防音だからな、心配ねえ」
そう言いながら………。
身体を反転させられ、ドレスを腰までたくし上げられる。
「きゃっ、ちょっと………やっ!」
剥き出しにされた臀部を、シドの片手が押し開くように掴んだかと思うと………。
私は、再びシドに貫かれていた―――。