第28章 私立リアリン学園!10時間目~ルイ&イケヴァン・アーサー~
メニューをパラパラとめくっていく。
食事のメニューも、お酒のツマミという感じが多い。
イタリアンな居酒屋なのだから、当然なのだけど………。
チラリと横にいるルイを見る。
私が勝手にお店変えちゃったこと、どう思ってるんだろう?
ルイは、きっと静かに食事したかったんだろうな―――。
そう思うと、最初にルイが選んだお店にしておけばよかったと、今更ながら後悔する。
「何飲む?」
急にルイが、私の持っているメニューを覗き込んできた。
「ううん、飲み物は………あの、ごめんね。私、ルイが飲めないって全然考えてなくて」
「飲めるよ」
「え」
「ここは、リアリン市国。都市国家だから。IDを持っている者には、独自の法律が適用される。元々、国王候補や国の要人となる者の教育の場として作られた学園都市だから、早いうちから全ての面で一人前扱いされている。社交界の兼ね合いもあって、飲酒年齢が低いんだ」
一人前扱い、か。
そういえば、ニュースかなんかで聞いたことあったなあ。
一つの小国として独立してるんだよね。
リアリン学園は、普通の学校より、圧倒的に授業数が多い。
勉強だけでなくパーティー等に備えて、ダンスや礼儀作法の授業もあり、語学の授業も豊富だ。
もちろん、それらは専科教師が教えている。
語学は私も教えているけれど、あくまで一般科目のレベルだ。
私のように基本教科を担当している教師は、数少ない。
いずれ、専科教師になるための準備段階なのだろう。
確か、ジル教頭が、そんなようなこと言ってた気がする………。