第4章 ピアノレッスン~シド~
持ち上げられた左足は、抱え直されかと思うと、シドの身体が密着し………。
「―――っ、も、やだぁ………あ、ぁ………」
熱い、シド自身が、勢いよく私のナカに入ってくる―――。
ズブッ、ズッ、ズッ………。
シドが腰を動かす度に、結合部分から大きな音が聞こえてくる―――。
涙が、後から後から、絶え間なく、こぼれていく。
噛み締めた唇が、震えて………。
「んな、顔すんな」
シドは、私の顔を覗き込み、ニヤリと笑う。
「………最低っ」
「何とでも言え」
シドは、更に律動を早め―――。
「………は、………お前のナカ、最高だな」
「………っ!」
自由のきかない両手に力を込める。
この手を振りほどいて、殴りつけたいっ!
せめてもの抵抗で、シドを思いきり睨みつける―――。
「どうだ、お前も感じてきたか?」
―――なんて、無神経なんだろう。
信じられない………なんて奴。
涙さえ拭えない自分自身が情けなくて。
こんな、辱めを受けるなんて―――。
シドが、憎い。
こんなにも、狂おしいくらい、誰かを憎んだ事が、あっただろうか。
それは………これが、シドだから。
だから、余計に許せないと思うんだ。
私の気持ちなんて、おかまいなしで。
欲望にまみれた最低な奴………それが、シドだ。
「………ん、んん………」
頭の中で、ずっとシドを恨み、見開かれた目からは、涙がとめどなく溢れてくる。
それなのに………。
私の身体は、明らかに変化し始めて―――。
「………あぁん、はっ、ぁん………ん、あ、ん………」
「………は、良くなってきたか?」
激しく、シドに身体を揺さぶられ続け―――。
ふいに、シドが耳の中をゾロリと舐める。
「ふ、ぁん………」
全身に電流が駆け巡っていくかのような、強い快感。
………そして、いつしか、私は、上げられた片脚をシドの腰に絡みつかせていた―――。