第27章 私立リアリン学園!~シド~ 情熱編
ゴクン。
シドが飲み込んだのを確認して、離れようとすると。
「………!?」
後頭部を押さえつけられ、噛みつくように唇を吸われる。
「んっ、んん………っ、ふ………」
強引に唇を押し広げ、シドの舌が侵入してきた―――!
「………っ!!」
後頭部に添えられた手が緩んだ一瞬の隙をついて、シドの唇から逃れる。
「何するのよっ!?」
唇を押さえ、警戒して後ずさりをする。
ドキン、ドキンと、速くなっていく鼓動。
こんなのって、ない………。
そりゃ、唇重ねたのは、私の方から。
でも、それは薬を飲ませるためで。それ以上の意図なんかなくて………。
「本当にお前、いるんだな」
シドが、ポソリと呟く。
「え?」
ほんの少し水の入ったコップを、コトンと本棚のへりに置き、シドの顔を覗き込む。
その顔は、さっきまでのうすら笑いをしていたシドとは別人のようだ。
真顔で天井を見上げている。
「路地で、お前の顔見えた時は、さすがの俺も、もうダメかと思えた」
「………」
………隠れ家の前の通りで、倒れていた時のことを言ってるのかな。
すぐに意識がなくなってしまったから、死んじゃうのかもと、私だって焦った。