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【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第4章 ピアノレッスン~シド~



『いつか、この曲を、君がパートナーと演奏するのを聴きたい』

そう言って、この二重奏曲をプレゼントしてくれた。

『ウィルツの音楽祭に招待するから』

ウィルツの音楽祭。

国際的にも有名なその名を聞いて、驚く。

『そ、それは、無理!でも、たくさん練習して、誰に聴かせても恥ずかしくない演奏ができるように頑張るから。それに、早くモー君にも聴いてもらいたいし』

そして、ふと思った。

パートナー。

この曲は二重奏。

プリモとセコンドで構成されているのだから、勿論、1人では成り立たない。

城でピアノ、と言えば………。

ルイとノアの顔が思い浮かぶ。

けれど、この曲のイメージにはどうもしっくりいかない気がする。

どちらかというと、2人ともプリモのパートを弾くのに相応しいかも、と思って………。



『ロイド』



モー君が、静かに呟いた。

『え』

『これは、彼自身だから』

そう言うと、モー君は立ち上がり、部屋のドアに手をかける。

『え、待って………ロイドって、シドの事、だよね?シドを知ってるの?』

『マインの演奏、楽しみにしてる』

私の問いには答えず、それだけ言うと、モー君は部屋を後にしたのだった―――。





モー君の言葉を何度も繰り返していた。



『ロイド』



『これは、彼自身だから』



あの口調から察するに、多分2人は知り合い、なんだろうな。

それなら、どういう関係なのだろう………。







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