第21章 私立リアリン学園!7時間目~カイン~
カインは、私の手から用紙を取り上げる。
「ちょっと!」
「もう必要ねえだろ。これは、俺の答案だ」
「それは、そうだけど」
手元に置いてもう一度読み返したかったな、なんて。
名残惜しく思う。
カインは、テーブルの上を片付け始める。
辞書類を束ねて私に差し出す。
「これ、役に立った。アナログも悪くねえ」
「どういたしまして」
「………マイン先生は、発音いいな」
「ん?それはもちろん母国語だからね」
そう答えると―――。
鼻先が触れそうなほど、カインが近づいてきているのに気づいて慌てる。
「え、ちょっと、何………」
「こうして、近づけると発音、しっかり覚えるか………?」
「………」
「なあ………これが、フォーリンラブってヤツ、か?」
そう言った、
カインの吐息を、唇に感じた―――。
※次ページより、情熱編<R18>となります