第21章 私立リアリン学園!7時間目~カイン~
~追試~
―――事の起こりは、こうだ。
生徒総会のアンケートと共に、ジル教頭から、二年生の現代文の夏休み明けテスト用紙を渡された。
カインが赤点を取ったので、その追試を私が受け持つように言われていた。
―――合宿前の、ジル教頭の言葉を思い出す。
『カイン=ロッシュの追試を合宿中にお願いします』
『どうして合宿中なんですか?』
『追試を受けに来るよう再三通達していましたが、応じる気がないようです。生徒会にサッカー部と多忙で時間を取れないため仕方ないのですが、このままでは、落第点をつけるしかなくなります。合宿中でしたら、合間に時間を取れると思いますし、他の生徒に知られないように配慮をしたいものですから』
『わかりました。あの、でもカインが追試って、そんなに点数が悪かったんですか?』
学級委員でもあり、生徒会会計でもあり、サッカー部のキャプテンでもあるカインが、成績が悪いとは思えなくて、聞き返す。
『もちろん、普段は成績の良い生徒です。ですから、何か理由があるようです。マイン先生からそれとなく聞いていただけませんか?』