第21章 私立リアリン学園!7時間目~カイン~
「え。あ、うん、ありがと」
「なんでそんなに驚いてんだよ」
突っかかるように言ってくるカイン。
「だって。手伝ってくれるなんて思ってなかったから」
正直にそう言うと。
「タラタラやってっから俺様が手伝うしかねえだろ?とっとと終わらせろ」
………。
も~、またこんな言い方。
言い返そうかと思ったけど。
せっかく手伝ってくれているので、黙っていることにした。
私がお皿を洗い、それをカインが拭いていると。
「カイン様、いる?」
ひょっこりと台所の入口から、顔を覗かせるユーリ。
「なんか用か」
カインは手を止めることなく返事をする。
「今日サッカー部は、午後もそのまま練習だから、お弁当注文することにしたんだ。カイン様は、どうする?」
「俺は、生徒会に出る」
「了解!お弁当一つマイナスっと」
そう言うと、ユーリは、忙しそうに去って行った。
「練習に出なくていいの?」
カインに聞く。
そういえば、合宿始まってからカインがサッカー部の練習で抜けたことって、ないような気がする。
「俺様には、練習なんて必要ねえんだよ。しかも、あいつらに俺の存在がどれだけ有り難いかわからせる、いい機会だしな」
意気揚々と言い放つカイン。
「何それ。キャプテンなのに、無責任じゃない?」
「うるせっ。マイン、お前には関係ねえだろ」
「ちょっと、先生を呼び捨てにしない!それに、お前って何!そんな言い方しないでよ!!」
「あー、めんどくせえ」
ポイッと。
布巾を放り投げるカイン。
私、慌てて受け止める。