第19章 私立リアリン学園!6時間目~ゼノ~
「これで全員揃いましたので、早速、ミーティングを始めてもよろしいでしょうか」
背の高い、真面目そうなメガネをかけている生徒が、私達を遮る。
レオは、ドアに一番近い席に座り、私に隣りの席を勧める。
皆が机を囲んで座ったところで、レオが切り出す。
「初めに、マイン先生のために自己紹介しようか。俺からね。会計監査担当の一年、レオ=クロフォード」
レオは、私の反対隣りの生徒に目を向ける。
私もつられて、隣りに座っている女のコを見る。
………うっわ、何このコ!超かわいいんだけど!
「副会長の三年、ミシェル=アードラーです」
華奢な身体つき。ふわふわの長い金髪。クリクリの大きな瞳。真っ白の肌にバラ色の頬。小さなつぼみのような唇。
それに、小鳥のような、か細い美しい声―――。
お人形さんみたい。
ほ、本物のお姫様だあっ!!!
なんて。
一人、興奮していると。
「………何か?」
その彼女に、怪訝そうに見つめられる。
「あ、いえいえ!じゃ、次いこっか!」
私は、慌てて進行を促す。
「会計、2年、カイン=ロッシュ」
お姫様の隣りに座っている、ふてくされた口調のカイン。
「態度悪いなあ」
私は、おもわず呟く。
「あ?テメエ、今なんて言いやがった?」
ガタリッ、と。
カインが立ち上がろうとする。
「あのねえ、先生に向かってテメエは、ないでしょうがっ」
私も負けずに言い返す。
「テメエなんかテメエで充分だ。だいだい、顧問なんて必要ねえってのに………」
「カイン、やめろ」
正面に座っている、漆黒の瞳の彼の、静かな声が響く。