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【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第2章 ピアノレッスン~イケヴァン・モーツァルト~ 序章




「じゃ、後で迎えに来るから」

そう言って、ヒラヒラと手を振って去って行くユーリの姿を見送りながら、もう一度深呼吸して、モー君の部屋のドアをノックする。

コン、コン。

―――。

少しの静けさの後、私は再度ノックをする。

コン、コン。



―――え、まさかと思うけど、いない、とか?

ドタキャン?

………は、ないよね?

私は、意を決して、ドアノブに手を掛ける。

「失礼します………」

控えめに呟きながら、扉を開ける。

無機質な部屋。

真ん中に置かれたグランドピアノ。

無造作に散らばった紙の束。

それらに目を奪われていると………。

「誰」

すぐ横で声がして―――。

「え?わっ!あ、あなたこそ誰!?」

とっさに………そう言ってしまって、はっとする。

「誰って……ここ、俺の部屋。訪ねて来たのは、そっちだけど」

パープルの瞳に見据えられて………。

「………っ、モー君………」

そう呟くと、彼は、明らかに嫌そうに顔をしかめる。

「ウィスタリアのプリンセスだね………ほんとに来たんだ」

「あ、あの、初めまして。私、マインと言います」

「俺は、ヴォルフガング・アマデウス・モー・ツマラナイト」

「ごめんなさい。初対面なのに、モー君とか馴れ馴れしく呼んでしまって……あの、なんとお呼びしたらよろしいですか」

彼のあまりの冷たい、拒絶感さえ覚える態度に恐縮してしまい、しどろもどろになる。

「………名前、長くて呼びづらいだろうから………いいよ、もう。モー君でいい。それから………プリンセスなんだから、俺に敬語使う必要ない」

「あ、うん。じゃあ、私のこともマインって呼んで」



「マイン」







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