第17章 私立リアリン学園!5時間目~ジル~
私立リアリン学園!5時間目~ジル~
~教頭 ジル=クリストフ~
朝の職員室は、穏やかだ。
コーヒーを飲んでのんびりしている先生もいれば、授業の準備に集中している先生もいて。
私は、大抵、前夜に授業の準備を済ませてあるので、朝は比較的余裕で、時間割を確認する程度。
あー、今日もいい天気だな。
窓の景色に目を向けて。
ふと、職員室の一番奥に座っている、ジル教頭と目が合う。
………。
少し戸惑ったけど、顔を逸らすのも変だしと思って、軽く頭を下げる。
すると、ジル教頭が分厚いファイルを抱え、こちらに向かって歩いて来る。
………な、何だろう。
「おはようございます、マイン先生」
「お、おはようございます、ジル教頭!」
私は、慌てて立ち上がって、頭を下げる。
「そんなに、かしこまらなくても結構ですよ」
微笑みを浮かべる、ジル教頭。
………そうなんだけど。
どうしてか、ジル教頭を前にすると、とっても緊張してしまって………。
何かやらかしてしまってないかと、落ち着かなくなってしまうのだ。
初日にお説教されたのが、大きいかなあ。
それに、つい最近も授業をサボって………って、サボるつもりはなかったけど、結果的にはそうなって、怒られたばかりだし。
―――もうこれ以上、問題は起こせない。
何といっても、今は試用期間の身。
念願の教職を失いたくないからね。
「マイン先生は、よく頑張っているようですね」
「へ………あ、はいっ」
思いがけない一言に、私は驚いてしまう。
ほ、褒められた!?