第1章 皆でお祝い♪ ゼノ様バースデー!
しばらく抱き合った後、少しだけ身体を離し………。
と、額に、優しいキスが降ってくる。
「………ぁ、ゼノ様ぁ………ん」
くすぐったくて、目を細める。
今度は、そんな私の瞼にキスをする、ゼノ様。
その表情は、穏やかで優しく、先ほどの激しさとは、打って変わって………。
そんなことを思い出して、また身体が熱くなってきてしまった。
私は、両手を頬にあてる。
「あ」
―――忘れてたっ!
私が小さく叫んだのを、不思議そうな表情で見ているゼノ様に。
「あのっ、渡したい物があります!」
起き上がろうとして………何も身につけていない事に気づき、慌ててシーツを身体に巻きつけ、ベッドから降りる。
ゼノ様も上体を起こし、私の様子を伺っている。
すぐそばのドレッサーの引き出しから、小さなカードを取り出す。
「あの、これ、誕生日のプレゼントです」