第12章 私立リアリン学園!~ノア~ 情熱編
ノア 情熱編<R18>
~胸枕~
「ノア、五分経ったよ」
本当は、もう、とっくに五分なんて過ぎてる。
もう少し。
あと一分だけ。
そうやって、引き伸ばしてきたけど………。
私の膝の上で、気持ちよさそうに目を閉じているノア。
なんだか、すごく落ち着く。
いつまでも、こうしていたい―――。
けど。
もう、起こさないとね。
「んー?」
ノアは、寝ぼけた声を上げながらも、起き上がって私と向かい合う。
「まだ眠いって言ったら、どうする?」
「ノアは、いつもそうでしょ」
私は、離れた距離の寂しさを紛らすため、軽く笑う。
「そんなに可笑しい?」
「え」
じっと、ノアに見つめられて。
「やっぱり、もう少し寝る」
そう言うと………。
ノアは、私の胸に顔を埋めた―――。
「………っ!?ノ、ノア?」
「柔らかくて、気持ちいー」
くぐもったノアの声が、胸の真ん中で響く。
「ノアってばっ」
私は、恥ずかしくて鼓動がどんどんと早まっていく。
「………マイン先生のドキドキしてるの、伝わってくる」
「だ、だって」
この体勢で、なんともないわけないじゃん!
「この、適度な息苦しさが、心地いーんだよね」
適度な息苦しさって………。
い、いつまでこうしてるんだろうっ。