第11章 私立リアリン学園!2時間目~ノア~
よし!
今日こそ起こす。
注意する!
教師として、この問題児から目を逸らしては、いけない!
「では、次。ノア=レオンハート、続きを読んでください」
私が大きな声で指名すると、皆が、驚いた表情で顔を上げる。
「………ノアだって」
「マジ?」
「マイン先生、チャレンジャー♪」
ザワザワし始める生徒をよそに、私は、ツカツカとノアの席まで歩いていき………。
「ノア、起きなさい」
頑張って、厳しい口調で声を掛ける。
けれど。
やっぱり、起きる気配ない。
「ノア=レオンハート!起きてっ!」
私は、ノアの肩を揺さぶる。
ピクリッ、と。
一瞬、大きな身体が動き。
ゆっくりと頭を持ち上げるノア。
半分閉じたままの目で、こちらを見ると。
「あー、おはよ、マイン先生ー」
のんびりとした口調で、笑顔を向けるノア。
「おはよう、じゃないでしょ。もう午後だし」
「んー、マイン先生の朗読聞いてたら、眠くなっちゃったー。だって、マイン先生の声って、優しい子守唄みたいんだもん」
「………っ、何言ってるのよっ」
朗読聞いてたら、って、聞く前から寝てたけどね?
「やっぱ、まだ眠い。ねー、マイン先生、膝枕してくれる?」
そう言って、ゆらりと立ち上がり。
目の前に影ができたかと思うと、ガクリと身体を傾けてきて………。
………お、重いっ!
「おい、ノア、寝ぼけてんじゃねえ。起きろ!」
隣りの席のカインが、ノアの身体を私から引き剥がそうとする。
「んー」
なおも、もたれかかって来るノアを必死で支える。
うわっ、待って、待って、待って!
ほんと、重いってばぁ!