第10章 私立リアリン学園!~ユーリ~ 情熱編
「さてと」
ユーリは、さっさと身支度を終え、ネクタイを整えている。
私は………控えめに辺りを見渡し続け―――。
えっと。
………どうしよ。
どこ、行ったかな………。
机に座ったまま、スカートを押さえ、首だけ動かして周辺に目を配る。
「これ?」
ユーリが、ショーツを指に引っ掛けて、私の目の前に差し出す。
「探し物は、これだよね?」
ニッコリするユーリの手から、慌ててショーツを奪い取る。
も、恥ずかしいよぉ………。
顔を上げていられない~っ。
「履かせてあげようか?」
「………っ、自分で履けるよっ!」
私は、ショーツを握り締めて、ユーリに背を向ける。
ドキドキが、おさまらない。
さっきまで、あんなに恥ずかしいコトしてたのに。
『履かせてあげようか?』
その言葉に、こんなに落ち着かなくなるなんて………。
「じゃ、俺、先行くけど」
教室のドアに手をかけ、こちらを振り返るユーリ。
はっとして、顔を向ける。
―――なんだろう。
離れるのが寂しい、なんて………。
「楽しかったね。また居残りしようね」
いつもの、あの笑顔。
「………」
けど。
またって………。
次が、本当にあるのかな。
………って、私、何考えてるんだろう。
「あ、俺、明日でも全然平気だよ?今度はメイド服のスカートめくりたいな」
メイド服って………。
「もう、ユーリってば!」
「じゃー、また明日!マイン先生、さよーならー」
無邪気な笑顔を私の心に残して。
ユーリは、去って行った。