第7章 私立リアリン学園!予鈴
リアリン学園って………あの、リアリン学園!?
私は、戸惑いを隠せないまま、ジル教頭と名乗った彼を凝視する。
「貴女に、我が学園へ来ていただきたいのです」
「………」
言っている意味がよくわからなくて、呆然としてしまう。
学園に来てほしいって………。
なんで?
「あの………どういう事ですか?」
「言葉が足りませんでしたか。つまり、我が学園で働いていただきたいと………」
「それって、教師として、ですか?」
つい、興奮してしまって、ジル教頭の言葉を途中で遮って聞いてしまう。
「………もちろんです。それ以外に、何かございますか?貴女は教師志望ですよね?」
それは、そうなんだけど。
あまりにも突然で。
しかも。
あの、リアリン学園―――。
「リアリン学園って、あの、あそこですよね?」
私は、自分でもおかしな質問をしているなとは思いながらも、そうとしか言葉が出て来なくて。
「我が学園をご存知でしたか」
私の言わんとする事を理解しているようで、ニッコリと微笑む。
ご存知も何も………。
リアリン学園は、各国の王子、王女、王位継承者や貴族の子どもが在籍しているという、超一流の学校として名高い。
「世界一有名な学校、ですよね?」
「世界一、ですか。面白いことをおっしゃいますね。我が学園は、至って普通。どこにでもある学校ですよ」
可笑しそうにゆったりと笑いながらそう答える。
「………」
………普通って?
普通じゃないでしょ、絶対!
「ですが、もちろん、設備も教師も一流である事は間違いありません」
きっぱりと言い切るジル教頭の瞳は、鋭い輝きを放っている。
学園に対する誇りと情熱。
それが、はっきりと感じ取れる。
私が目指すものを、この人は持っている―――。