第5章 私立リアリン学園!序章
~決意~
あれから数十分後―――。
結衣と私は、いつもの居酒屋に場所を変えて飲み直していた。
「やっぱり、ここの方が気が楽だわ~~」
私も結衣に同調して、頷く。
「ああいうオシャレな店で飲むのは、もう少し大人の女性になってからってことで………あ、でもマインは、もしかしたら、近々また行く機会あるかも、ね」
「な、なんでよ」
「だって、ねえ。見つめ合うレオナルドさんとマイン。あの雰囲気は、店の人とお客って関係、超越してたよ!」
「………おおげさだよぉ。別になんてことないから」
私は、レモンサワーをちびちびと飲みながら。
―――口ではそう言っていても、心の中では、レオナルドさんを思い描いていた。
惹きつけられるのは、あの人が目を離せないような輝きを放っていて。
そして、まっすぐに私を見ていたから―――。
………なんて。
男の人に免疫ないからか、ちょっとしたことでドキドキしちゃうんだよね。
こういう、小さいトキメキで満足しちゃって。
いつも、それっきりで。
進展することなんてない。
こんなんじゃ、いつまでたっても彼氏なんてできないよね………。
と―――。
私ってば、何考えてるんだろ。
夢に向かって頑張るって、決めたばかりだよね。
講師のバイトは夏休みの間だけ。
その後の仕事は、探してはいるけど………。
メイドカフェのバイトがメインだった頃には、もう戻れないし。