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【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第5章 私立リアリン学園!序章




「帰ろう」

とっさに、そう口に出して。

「へ?」

結衣が、あまりにも脈絡のない私の言葉に驚いている。

構わず立ち上がって、バッグを掴む。

と―――。



「きゃっ………!」



「マイン、危ないっ………」



足がもつれて、体勢が崩れる。

かろうじてテーブルに手をついて、転倒は免れたけれど。

持っていたバッグが、床に投げ出されてしまう。

大きめのキャンバス地のトートバッグから、参考書やノートが半分出かかったまま足元に広がる。

さらに先へと飛び出した化粧ポーチ。

そのすぐ向こうには、口が開いてしまったペンケース。

転がっていくマーカーペンを追いかけ、急いで拾い上げる。



………うっわ、恥ずかしいっ。



それらを、しゃがんでかき集めていると―――。



「ほらよ」



いつのまにかレオナルドさんが近くに立っていて、バッグを目の前に差し出される。

バッグの口を広げたまま持っていてくれているので、そのまま両手に抱えた小物を入れていく。



「何慌ててんだよ。気をつけろよ?」



バッグを渡されると。

空いたその大きな手で、頭をぽんぽんと撫でられる。



………っ!



うわっ、これって、この仕草って………。

身体中の血液が逆流してしまったかのような、衝撃。

顔が、熱い。

酔ってるから、じゃなくて。



………ううん、酔ってるんだ。



私は、レオナルドさんに酔わされている―――。







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