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【松】猫と六つ子

第3章 六つ子と私



「ヒナがうちにきて、もう一週間だね」

「なかなか飼い主みつからないね?結構目立つ子だと思うんだけど」

チョロ松が私を撫でながらぼやくとトド松が小さくため息をつく。
六つ子たちはどうやら私の飼い主を探して、張り紙をしたり、聞き込みなどをしたりしてくれてるみたい。



ここに来て、一週間……
気づけばあっという間だった。



私は二階への階段をあがって六つ子の部屋に入る。
一松がソファーに転がっていた。
ニャーンと窓を引っかいてると一松は少し困った顔をする。

「……外、でたいの……?」

返事にもう一度ニャーンと鳴くと一松は窓を開けて、抱き上げてくれた。

「……本当に大丈夫?不安になったら、すぐ戻っておいで」



大丈夫だよ、一松。
ここの場所は覚えたよ。



私は安心させるようにもう一度鳴き外へ出た。
目的地は決まっていた。
松野家を出て、商店街を通り過ぎ、向かった先は変な形の建物だ。
建物の脇にある窓から入り込むと中には水色のシマシマパンツをはいたおじさんがいる。
ここはデカパン研究所。パンツのおじさんはデカパン博士だ。

「ほええ、ヒナちゃんダスか?」

博士は私に青い液体を差し出した。
舐めるとボワンと音がして元の姿に戻っていた。



そう……私は元々人間なのだ。
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