第3章 六つ子と私
<ヒナside>
私の名前は「ヒナ」。
今は松野のいうお家にご厄介になっている。
そこはお父さんとお母さんとなんと六つ子が住んでいる。
六つ子は上からおそ松、カラ松、チョロ松、一松、十四松、トド松、個性たっぷりのニートな男の兄弟たちだ。
おそ松はパチンコや競馬好きで、よくタバコの匂いをつけてくる。
毎日のように出かけ、帰りにねこじゃらしを持ってくる。ニカっと笑って帰ってくると必ず遊んでくれるんだ。
カラ松はなんだか着ている服が変だ。
近寄ってくるとキラキラジャラジャラ眩しくて、頬を叩いてしまう。
そうするとカラ松は泣きそうになるので擦り寄ってみると優しく撫でてくれる。
チョロ松はよく本を読んでいる。
就活の本だったり、雑学の本だったり。
ひざに乗っかると本を読みながらも優しく撫でてくれて、そのまま顔をのぞいてみると嬉しそうな顔をしているんだ。
一松はノラ猫から私を助けてくれた、優しい一松。
前はノラ猫をよく家にいれていたみたいだけど、私がいるときは入れないようにしてくれている。
ときどきニヤァと笑う顔はちょっと怖い。
十四松は元気だ、声が大きいので少しびっくりする。
いつもニコニコしていて、帰ってくると私を強くギューっと抱きしめる。
抱きしめられるとポカポカの太陽の匂いがして、すごく安心する。
トド松は末っ子なのに世話やきさんだ。
毎日、丁寧にブラシで私の毛を梳いてくれる。
毛並みを綺麗にしたあと、目をキラキラさせてギュっと抱きしめる。
そしてまたブラシで直し始めるのでなかなか時間がかかるんだ。