第2章 ニートたちと猫
「……」
女の子……
そ、そりゃ可愛い女の子かどうかなんてわからないけど、童貞ニートの僕たちは想像をめぐらせた。
あー……もしかしてもしかしてっ!
僕でも可愛い女の子とお友達になんてなれちゃったりして!
……それでお礼にデ、デートなんかしちゃったり、つ、つ、付き合えちゃったりー!?
「兄さんたちおまたせー!二回目―!!!!」
再び、十四松が勢いよく入ってくる。
妄想をめぐらせる僕らに気づいたのか、白猫は僕のところから一松のほうへ逃げていった。
「どうした……?ヒナ」
「ん?こいつ、ヒナって名前なの?」
「首輪に名前ついてた……」
「ふーん、ヒナかー
よしっ!明日っからこいつの飼い主みんなで探そうぜー!」
「「おー!!」」
急にやる気を出した兄弟たちに一松は不穏な顔をしながらヒナを撫でていた。