第22章 猫とトド松
合コン当日。
ヒナちゃんは僕の選んだ服を着て出かけた。
わかってたけど、めちゃめちゃ可愛かった。
でも、合コンに行かす為に選んだんじゃないし!
あーやだよぉ……知らない男と会話するの想像するだけで耐えらんない。
「トド松ぅ~末っ子ぉ、俺らになんか隠してない?」
「ヒナちゃん、今日出かけるってどこいったの?」
「いつもに増してキュートだったから、送ろうとしたんだが断られたぞ!」
「野球行った?」
「……怪しすぎなんだけど」
兄さん達には何度か相談しようと思ったが、ヒナちゃんが合コン行くきっかけを作ってしまった手前、僕は言いづらかった。
てか絶対、言ったらなんかするし、事件が起こる。
僕が黙っていると兄さんたちはいつもどおり実力行使にでる。
結局、僕は折れた。
「レディが合コンだ……と……」
「ふっざけんなよ!知らない男にお持ち帰りされたらどーすんだよ!」
「何……全員虐殺してもいいって?」
「アハハ、コロース!」
「で、お前、何してんの?」
「え……っ?」
「お前、合コン行くってわかってて、そのまま行かせたの?
……何がしたいの?」
そうだ、僕は一体何をしてるんだ!
兄さん達に取られるとか言ってる場合じゃなかった!
ヒナちゃんを知らない誰かに取られるなんて考えられない!
僕は慌てて家を出た。