第22章 猫とトド松
<トド松side>
……大失敗をした。
ヒナちゃんに、他の女の子の話をするなんて!
今日だって、久しぶりに二人で出掛けられたんだ。
だから結構張り切ってたんだけど……
家にいるときはヒナちゃんと二人きりになれるチャンスはほとんどない。
何かと兄さん達が邪魔をしてくる。
兄さん達もヒナちゃんに夢中だから、当たり前なんだけど、僕だって負けられない。
ヒナちゃんを取られたくない。
「さ、さっきの写真のこと……ごめんっ!
この写真ほんと気に入ってて、猫の姿も可愛いし……」
猫よりも今の姿のほうがずっといいけど……
実は元に戻ったときに、内緒で寝顔を撮ったことがある。
それをこっそりみるのが日課になってる。
僕の宝物だ。
「もういいよ。
ちょっと恥ずかしかっただけだし、トッティも彼女欲しいよね?」
「え?う、うん」
彼女ほしいよね?
なんて聞かれたらほしいに決まってる。
だから、ヒナちゃんが僕の彼女に……
「よし!私も合コン行ってみよかな!」
「えっ?ええ?!」
なんでそうなった?!
「いつまでも甘えてたらダメだよね!
前の会社の子に誘われてて迷ってたの。
私もリア充に戻らなきゃ!」
変なやる気出てるー?!
自分も合コン行ってた手前、行くなとは言えないし!
ヒナちゃんのリアルを応援……出来るわけがないじゃん!