第22章 猫とトド松
<ヒナside>
「どう……かな?」
私はトド松とショッピングしていた。
あれやこれやとトド松は楽しそうに私の服を選ぶ。
「うん!めちゃめちゃ可愛い!
似合ってるよ♪」
「あ、ありがと」
正直、服は疎いので私はトド松に任せっきりだ。
女子力は絶対負けてるし!
薬は白いワンピースじゃなくても白い猫になったのを知ったのも最近だ。
レジではトド松がお金を出そうとする。
「ダメ!自分で出す」
「えー?僕が選んだんだし、プレゼントしたいなぁ」
「ダメだよ!トッティ、許すと何でも買ってきちゃうでしょ」
お互い金銭的には乏しいのは明らかだ。
なのに、トド松は買い物してきたとプレゼントよく買ってくる。
「えー?もうっ、ヒナちゃんは僕に厳しいなぁ」
「じゃあ、帽子は一緒に買おうよ。私がトッティの選ぶね?」
仲良くお互いの帽子を選んだ。
帽子は結構好き。
それにトド松も帽子がよく似合う。
ショッピングも終わって、カフェで一息入れる。
トド松はお決まりのスマホチェック中だ。
「……楽しい?」
「え?ああ、スマホ?
もう癖になっちゃってさ。
ヒナちゃんはまた家に置きっぱなしでしょ?」
「だって、みんなといたら別にいらないもん」
こんなんじゃダメなのわかってるんだけどさ。
「でも、写真とか撮ったりしない?
僕、ヒナちゃんとのツーショットほしいなぁ」
「写真ちょっと苦手なんだよね……」
「僕の待ち受けヒナちゃんだよ?」
「ええっ!?」
「ほらっ」
猫バージョンだった。
ちょっと焦った自分が恥ずかしい。
「この写真、可愛いし、この間も女の子に可愛いって騒がれちゃってさ」
ハッとトド松は明らかにしまったという顔をした。
「女の子、に……見せたの?」
「い、いや、そうゆうわけじゃなくてね?
たまたまこの間誘われてさっ」
「合コンで女の子に見せたの?」
「うっ……うん……」
「ふーん」
慌てるトド松。
私は内心モヤモヤ。
そのあとは会話もあまりしないで、気まずいまま帰宅することになった。