第14章 長男の本気
<おそ松side>
今日は早々にパチンコで負け、俺は家に帰った。
すると部屋にめっちゃ可愛い女の子がいて、ソファーの横にもたれ掛けて一松と会話していた。
コミュ症の一松が部屋に女の子を連れてくるとか世紀末よ?
お兄ちゃんマジでもうびっくりしたね。
「私そろそろおいとましますから」
「え?もう帰っちゃうの?」
隣で見つめてた俺に居心地が悪くなったのか、ヒナちゃんはソファーから立ち上がった。
ヒラリと動くワンピースのスカート。
俺はちょっと覗きそうになって、グッと我慢した。
玄関に着くと一松がスッとヒナちゃんの靴を出した。
へ?こいつ……隠してたの?マジなの?
「お邪魔しました」
そうヒナちゃんは言いながら、一松へチラリとアイコンタクトのようなものをして玄関を出た。
一松は何事もなかったように無言で部屋へ戻っていこうとする。
「一松ぅー!」
「……はぁ、何……」
めんどくさそうに俺の顔をチラリとみる。
「あの子はただの友達なんだよな?」
「……そう……だけど、何?」
すごく不満げな顔をする。
ははっ分かりやすいなっ!お前も!
「俺、ちょっと送ってくるわぁ」
「はっ?えっ?……ちょっ……」
慌てる一松をスルーして、俺は彼女を追いかけた。