第2章 ニートたちと猫
<チョロ松side>
母さんの作る夕飯を待っている頃、一松が帰ってきた。
上は肌着姿で自分の紫のパーカーで何かを包んでいた。
「おかえりー!一松兄さん!
パーカーどうしたっすか?」
「ん……ただいま……母さん」
一松は十四松に挨拶してそのまま台所にいる母さんのところへ向かった。
「どうしたんだい?」
「……ケガしてる猫拾ったんだ。
病院には連れてったけど、しばらく面倒みてもいいかな……」
普段、ノラ猫とか母さんに聞かずに堂々と家に入れてる癖にわざわざ聞くなんて珍しい。
母さんの許可を取ったあと、一松は僕たちのところまで戻ってきた。
「十四松。
こいつ、だいぶ汚れちゃってるから、風呂いれるの手伝って……」
「あいあいあーい!手伝いマッスル!」
「ヘイブラザー!俺も手伝おうかぁ」
「だいじょーぶかぁ?
家の風呂二人も入ればいっぱいだろぉ?」
襖にもたれ、無駄に格好つけるカラ松兄さんが一松に声をかけ、寝転がったまま動かないおそ松兄さんが呆れ顔で言った。
「……ん。
十四松と二人で洗うから……
クソ松はタオル待ってこい」