第54章 ちっちゃな君と僕 逆ハー
<ヒナside>
わわわっ!こんなとこで裸にされちゃうっ!
私が慌てていると、更に脱がそうとしている女の子の前にトッティが座り込んだ。
「まっ、まままっ待って!そ、そのお人形はお兄ちゃん達のなんだっ!返してくれるかな?」
「えっ、でもぉ~……」
「ほら、この子のお着替え持ってるでしょ?あのね、それは僕らの大切なお姫様なんだ。君にスカート取られて恥ずかしそうにしてるだろ?僕らじゃないとお着替えできないんだよ」
みんなの前でもお着替えなんてしないけど……
「そそそっそうなんだっ!大切な子なんだっ!どんな時も一緒に過ごしてきた大切なレディなんだ……すまない……返してくれるかい?」
「……………………はい」
二人の言葉を聞いて女の子は私をトッティに渡してくれる。
「ありがとう♪」
トッティは私を受け取ると抱き締めるように持ち上げ、自分のパーカーのポケットに入らせた。
はぁ~焦ったぁ……
デパートから出たあと、三人揃って大きくため息をついた。
「良かったね?素直に返してくれてさ」
「あ、焦ったぞ。そのまま連れて行かれたらどうしようかと……」
「カラ松兄さんがちゃんと見てないとだめだろっ!ヒナちゃんが連れてかれちゃって動いてるのバレたらどーする気だったの!?本当に馬鹿っ!」
「うぅっ、すまない……レディ……」
「ごめんね?トッティ、カラ松のことあんまり怒らないで。私ももっと気をつけてれば良かったの……本当にごめんなさい」
「無事ならいいんだ……
でもスカート履くのはお家帰ってからね?」
「うっ……はぁい……」
三人で家路に向かった。
しばらくカラ松はトッティに怒られていたんだけど……
「……トドまぁーつ……レディのパンツ姿を撮ったら俺も怒るぞ?」
「なっ!?
し、ししししてないよっ!」
「……スマホ寄越しなさい」
「やだよっ!やだっ!あーっ!兄さんの馬鹿ーっ!」
「……これは帰ってから全員で審議するからなっ!」
気づけば今度はトッティが怒られる側なっていた。
六つ子ってこーゆうとこが面白い。