第54章 ちっちゃな君と僕 逆ハー
<カラ松side>
俺は今、大型デパートへ来ている。
ヒソヒソヒソ……
フッ……まいったな……
こんなデパートでも俺の魅力にカラ松ガール達が声を潜めて色めきあっている……
声をかけられても俺は断ることしかできない。すまない…カラ松ガール。今日の俺は一人に見えるが、一人ではない。
はたからみると一人だが、大切な愛する女神と一緒なんだ。
「……カラ松兄さん。今、架空のカラ松ガールにナンパされないかとか無駄な心配してたでしょ?ないからね?カラ松ガールなんて存在しないから」
「ト、トトトッティ!?
なぜわかるんだ!?」
「カラ松兄さん、顔にでるからね?っていうか、一人で売り場入らないでよ。ただでさえ、変質者っぽいのに」
「へ、変質者ではないっ!リトルレディとショッピングなんだからなっ!」
「だから、うるさいし。一人に見えるから注意してんの。あとリトルレディとかでかい声で言うな。嫌だからね?こんなとこで捕まって、警察迎えに行くの」
「……ごめんね~?」
俺のポケットからは愛しの女神がひょっこり顔を出す。
そう、今日は三人で買い物に来ている。
今、俺たちがいるのは、子供の女の子のオモチャ売り場だ。
「ヒナちゃんが謝ることはないよ。カラ松兄さんが何にも考えてなさすぎなんだ。僕らみたいな年齢がこんなところ一人でうろついてたら、変質者と間違えられるからね?頼むから一人で行かないでよ?」
はぁーと、ため息をつくトッティ。
怒られてしまった……た、確かにヒソヒソと話していたガール達はトド松が現れてから、気づくといなくなっていた。
警察呼ばれるのは困るな、う、うん。
「レ、レディっ!これとかどうだ?!フルセットだっ!」
近くにあった衣装を手に取ってはレディに見せる。
「そのセーラー服はいらない。そっちのスポーツセットとあとその……えっと……」
「この下着セットだなっ!なぜ、こうゆうのはパンツは売っているのにブラジャーはないんだろうな……」
やはり精密さがいるからだろうか……
しかしノーブラは困るだろう。主に俺の下半身が……
「声抑えてよっ!本当にバカラにーさんなんだからっ!」
また怒られた……