第54章 ちっちゃな君と僕 逆ハー
<十四松side>
「もぉーいーかぁーい?」
「もーいいよぉ~……」
「1,2,3,4,5,6,7,8,9,10!」
10数えて、ハウスを開ける。
ベッド!
お風呂場!
トイレ!
キッチン!
「……こっこだぁっ!」
クローゼットをパカッ!と開ける。
い、いないだとぉっ……!!!
「やったぁっ!1分たったから私の勝ちぃっ!」
そう言って、ヒナはクマのぬいぐるみの後ろのチャックから出てきた。
「ガーンッ!初めて負けたぁ……」
正確に言えば、ヒナと出会ってからやること123回中…初めて負けた。
僕が……ヒナにかくれんぼで負けるなんてっ!!!
地味に凹んだぞぉ……部屋で匂いがわからないうえに小さいからって言い訳にしかならないしぃぃいい!
「ふふーん♪やったねー!」
「ご褒美、何欲しい?」
かくれんぼで勝つと僕はヒナにご褒美を貰う。
大体、おかず一個サービスとか、耳かきとか、チューとか……でも、この間、口にチューして舌突っ込んだら殴られた!
「プリンっ!食べたい!」
「了解しマシーン軍団っ!買ってきマッスル!!!」
僕はダッシュでコンビニへ向かった。
「美味しいー?」
「うんまー♪お風呂サイズプリンやばーい♪夢みたい♪」
口ぱんぱんにプリンを頬張るヒナ。
可愛いなぁ~
「でも、全部食べられないねぇ……早く戻りたいな……」
「うん……僕も早く抱きしめたいなぁ~
プリン残り食べちゃうよ?」
僕は残ったプリンをペロンと一口で食べた。
「ふふっ、プリンは飲み物じゃないよ!」
「うまうま♪ヒナも甘いにおーい♪」
「え?きゃあ……っ!」
ペロリとヒナを舐めた。
このまま……食べちゃいたいな……でも食べたら、チューも出来ないし、ぎゅーってしてもらえないし、消化したら嫌だしなぁ~
「あー!ベタベタになっちゃったじゃないっ!」
「うんまそうなヒナが悪いんだよぉ~」
「何それ?もうっ」
早く戻らないと本当に食べちゃうからね?