第54章 ちっちゃな君と僕 逆ハー
<おそ松side>
お人形ちゃんが洗濯してらぁ~……変なの。
ハウスの置いてある窓際に座り込んだまま俺は覗き込む。
「……………」
「ちょっと!おそ松!暇ならパチンコでも行けばいいでしょ!」
「だってそんな金ねーもーん」
「だーからってっ!私の洗濯物じっと見てないでよ!もうっ馬鹿!」
「馬鹿って何よ……見てるだけじゃん。欲情してないよ?こんなちっちゃいパンツ見ても興奮しないよ?」
「っ……!!!」
お人形ちゃんは顔を真っ赤にして俺の顔に小さなタオルを投げつけた。
指でタオルをキャッチして、お人形ちゃんに向ける。
タオルを取ろうとしているところでピッとタオルを引くと、コロンと手の中に転がるお人形ちゃん。
「……………」
破裂しそうなくらいに頬を膨らませ、ちっちゃな手で俺の手の平を叩く。
「全然痛くねーよ。ま、元に戻ってから俺のこと殴ってもいいよ。
殴っても蹴ってもいいから、元に戻ったら抱きしめさせてくれよ」
はぁー……と、お人形ちゃんに手を出したまま俺は窓際に自分の頭を乗せた。
最初は可愛いと思ったんだ。
だけど、お人形ちゃんつまんねーよ。
猫よりもつまんねー。
お前のことを抱きしめられないし、エロいことも出来ない……お前の作った飯も食えねぇ。
「手……タバコ臭いよ?」
「だってさ、ストレス解消方法が見当たらねーんだもん!
お前の作った飯食いたい。
…口が寂しい…早くチューしたい」
「甘えんぼだなぁ……長男のくせに」
「あーっ!長男のくせにとか言ったぁ!長男関係ないしっ!おそ松くんお兄ちゃんだけど、お前のお兄ちゃんじゃないもんね!」
「ふふっ、今度は駄々っこだし……元に戻ったら大好きな卵焼き作ってあげるね」
クスクスと笑いながら、俺の手の平に座り込んだお人形ちゃん。
俺はお前にはいつも甘えたいのよ?
早く戻れよな……
「あ……なんか、ちょっとちんこ勃ったかも。綿棒でプレイしてみよっか?」
「……するわけないでしょ!馬鹿っ!」