第54章 ちっちゃな君と僕 逆ハー
「とりあえず…出かけるのも困難だね……
ちょっとお母さんに相談したいから一松連れてって?」
「……はいはい」
一松の手にキュッと掴まるヒナ。
なんだか微妙な顔をする一松。
台所へ向かう二人。
「……なんか、猫のときより軽いし、小さいし……危な過ぎて怖い。
おそ松兄さんとか十四松とか何も考えてないから、お前が気をつけろよ……」
「う、うん……」
台所に着くと松代が片付けをしている。
「母さん……ちょっとこれ見て欲しいんだけど」
「どうした?いちま……まぁああーーーっ!!!」
松代の叫び声が台所に響いた。
「……お、お母さん?」
「ふぅ~ん、なるほどなるほど」
相談しようと台所に来たヒナだが、台所のテーブルで目がランランとした松代から身体測定をされている。
「か、母さん?あのさ……」
一応説明する気があった一松だが、松代の勢いに負け、見てるだけ。
「一松!松パーカー全員分持ってらっしゃい!
あああっ、もう!ヒナちゃんったら!
こんな可愛いサイズになっちゃって、母さんこうゆうの憧れるわっ!
昔は色んな着せ替え人形とかあったのに今はフィギュアだかなんだかつまらないわよね!」
興奮気味の母にされるがままのヒナ。
「に、人形……」
「……別に説明いらなさそうだから、パーカー取ってくるよ……」
「ええ……っ、う、うん……」
「そうだっ!ハウスがいるわねっ!
お父さんに電話しなきゃっ!」
「ハ、ハウス……?」
小さくなったことに抵抗はないのか……
松代のおもちゃ扱いにヒナは小さくため息をついた。