第54章 ちっちゃな君と僕 逆ハー
僕はヒナちゃんを窓際の机に下ろすと慌ててティッシュを取りに走った。
「ふぁ……っ、ねみ……一体、何騒いで……
う、うぇぇえ……っ!?」
「何なの朝から……って……ヒナちゃん!?」
「GoodMorningっ!……レディっ!?
何だ、そのミニチュアはっ!?
ミラクルかっ!?
ファンタスティックかっ!?」
「……クソ松、意味わかんねーし……
いや、お前……何それ……」
「おはよっろくさんのゲッツー!
……ちょっとヒナ、それだとギュッてしたら潰れちゃうなぁ~
困るなぁ~」
「こ、これは……その……たぶん僕のせい……」
起きてきた兄弟は呆然とヒナちゃんを見つめた。
……そう、ヒナちゃんがこんなサイズになってしまったのは僕のせい…らしい……
僕たち六つ子は夢を見た。
それは不思議な夢で僕達それぞれがヒナちゃんを迎えにいかなければ夢が醒めない。
そう、ただの夢のはずだった。
やけにリアルで気持ちが苦しくなるくらい辛い思いをした。
僕はそこでヒナちゃんを見つけることが出来なかったんだ。
他の兄弟達は見つけたと言うのに……