第53章 猫とイヤミ
狭い部屋でじりじりと間合いをとる。
「試してみるのもいいと思ってチョ?意外とミーのほうが六つ子より相性いいかもしれないザンス!」
「いやっ、無理です!無理ですっ!
イヤミさん声は嫌いじゃないですけど、他全部、無理だからっ!」
「ん?チミ、ミーの声好きなんザンス?
……さては声フェチ……」
ミーがそう聞くとしまった!と、口を押さえる小娘。
図星。
「と、とにかく無理ですっ!試すとかないです!」
「グフフフ……ッ!
それならたっぷり耳元で囁いてあげるザンスーっ!!!」
「きゃああぁっ!!!」
ミーは小娘に飛びかかった。
ヤッてしまえばこっちのものザンス!!!
バキ……ッ!
……ドンッ!!!
「ヒナ……っ!イヤミ、またテメーかっ!」
「シェッ!?
……ゴファッ!!!」
部屋の扉が壊れて入ってきたチョロ松に殴られた。
赤はおそ松だったか?
「……何、人の猫に手ー出そうとしてんだ……
イヤミッ!」
「シェッシェエッ!グエッ!」
身体を起こされ、今度は紫に殴られ、
「クズがハニーに触れていいわけないだろっ!」
「グアッ!」青に腕を踏まれ、
「ヒナのご飯食べてたの?マジで?
イヤミコロースッ!」
「ゲフッ!」黄色に腹を蹴られ、
「何、部屋上がりこんでんの?キモッ!
ありえないって……ヒナちゃんが優しいからって脅したんだろ!」
「シェ……ッ、ヘブッ」ピンクに顔を蹴られ、
「……これ父さんの服だね?
お前に服なんていらないから!まずここにいること自体もありえない。
……脱げっ、そして今すぐ死ねっ!」
緑に再び起こされる。
「「死ねっ!!!」」
「シェッ、シェェェ………っ!!!
や、やめるザンスーっ!!!」
裸にされた上に六つ子全員に袋叩きにあった。