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【松】猫と六つ子

第53章 猫とイヤミ



「だ、誰って……みんな好きなだけじゃダメですよね……」

小娘はため息をついて半べそをかき始めた。
悩みの奥底を見てしまったようザンス。

「それって全員手玉に取ってるなんて、意外とチミ、器用なんザンスね?」

あんなにうるさいの全員?
どれもクズザンスよ?

「手玉って……取ってるつもりはないです……
ただみんなのことは家族で大切だし、大好きなんです」

「大切ねぇ……何だか身の毛がよだつザンス……
まっ、ミーにはチミと六つ子との事情なんてどぉーでもいいし知ったこっちゃないザンス!
まぁ自分に正直であればいいじゃないザンスか?」

「馬鹿にしてます?慰めてます?」

「……両方ザンス」

「ふふっ、変なイヤミさん」

クスクスと笑顔をミーに見せる小娘。







しかし……この小娘……
六つ子には勿体ないザンスね。
飯も作れる、家事も出来る、愛嬌もある、それなりにお馬鹿で可愛い。
いや、むしろそこら辺の女よりもよっぽど……

「六つ子達がダメなら……
ミーにしてみるとか、どうザンス?」

「は……はいっ!?」

「ミーは六つ子より働くザンスよ」

「働くって今、無職じゃないですか?!」

「ミーは六つ子より生活能力あるザンスよ」

「いや、のたれ死にそうだったじゃないですか?!」

「ミーは六つ子よりクズじゃないザンスよ」

「く、比べる対象が……っ、底辺っ!」

「ん?六つ子をクズだと認めたザンスね」

「そ……っ、それはっ!?」

「あと……ミーは童貞じゃないし……
結構上手いザンスよ?」

「い、一体、何を言って……
いやっ、ちょっ、近寄らないでくださいっ!!!」

後ずさる小娘ちゃん……
ちょっとムラッと来たザンス。
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