第51章 夢に囚われて ~トド松王子~
そりゃね?
六つ子の中じゃ、僕が一番似合うと思うよ?
最初の条件覚えてる?王子様にならなきゃいけないはずなのに、どうして赤ずきんにならなきゃいけないわけ?
王子様のお話っていったらさ。シンデレラだったり、白雪姫だったり、人魚姫だったり……マイナーなところだっていっぱいあるよね?
僕……王子様したいのにっ!!!
納得がいかないっ!!!
駄々を捏ねたい気持ちと全然メルヘンじゃない状況にモヤモヤしてる僕。
でも、ヒナちゃんを迎えに行くには必要なことなのだろう。
僕は荷物や武器などを用意して、白馬へ乗る。
あーこれがさ?
王子様の格好だったらいいよ……
絶対カッコイイもん。
……はぁ……
お供は父さんではなく、コンバットダヨーン。
国を統べる人間が二人死ぬとまずいから……って死ぬほどヤバいってことじゃん!?
なのにお供はコンバットダヨーンだけ……
兵士も召使いも全部ダヨーンな国って怖すぎだから!
そしてこいつとだと会話が全っ然弾まない!!!
最近、出没するという場所へ狩りなどをして向かった。
弓や銃……僕はこういった遠距離のものが意外と得意なことがわかった。
すごいんだ!100発100中!
これなら兄さん達も余裕でっ……いや、何でもない何でもない。
夢だからなのかな?
銃を持ってるってことは猟師の代わりなんだろうか?
*でも、本当にこれで大丈夫なのかなぁ……?
色んな不安をかかえながら、僕らは目的の場所へ到着した。
いつどこで出てくるかわからない。
拠点を作り、毎夜のごとく周辺を見回る。
リアルな僕だと夜なんて出歩けないと思うでしょ?
もちろん無理!(ニコッ)
でもね?違うんだ……今はこんな格好してるけど僕は王子様。
君を守る騎士は僕だけだもの。
夢ってすばらしいね!