• テキストサイズ

【松】猫と六つ子

第50章 夢に囚われて ~十四松王子~



舞踏会当日。
次々にボクの前にお洒落をした人達が現れる。

「私めの娘達と是非ダンスを……」

「嫌だねっ!ブスッ!!!」

「シェーッ!?
な、なんて王子様ザンス!」

「お、王子……」

デカパン博士が慌ててボクを止めようとするけど、ボクはやめなかった。

「こいつ、毎日晩餐会して金使いまくってだよっ!調べたら悪いことばっかしてたし!」

ボクだってヒナに毎日会いに行ってただけじゃないもんね!
イヤミは夢でもクズだね!



「……兵を向かわせろダス」

「シェッ!?
シェーッ!!!???」

逃げるように城から出ていくイヤミと娘達。
あーっスッキリ♪






しばらくして、ダンスホールがざわつく。
ホールにいる人々の視線の集めているのは、淡い黄色のプリンセスドレスを着たヒナだ。

ボクは真っ直ぐにヒナの元へ向かい、目の前でひざまづく。
手を差し出しながら、舞踏会が始まるときに持っていた紙と同じ台詞をヒナに向かって伝える。

「君をダンスに誘うことができて光栄です♪
僕と踊って頂けますか?」

「私……貴方に会いたくてここに……
でも、十四松様が王子様だったなんて……」

手を取り合い、身体を引き寄せると、曲が始まる。なぜか自然と踊るように身体が動き出した。
夢のような時間♪
……あ、夢だっけ?
くるくる回っていると楽しくて楽しくてヒナの笑顔だけが僕の瞳に映る。

「みんな貴方を見ているわ」

「違うよ。
君にみとれているんだ♪」

楽しくて素敵な時間だけど……
いろんな人に注目されていて、3曲目にはボクらは周囲の目を避けるようにホールを抜け出した。
/ 313ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp