• テキストサイズ

【松】猫と六つ子

第50章 夢に囚われて ~十四松王子~



超特急でキノコを集めてヒナの元へ運んだ。

「おまたせしマシーン軍団!」

「まぁ!こんなに沢山……
あら、でもこれは食べられない……
これは大丈夫♪
あ、これは美味しいキノコです」

ニコニコと楽しそうにキノコを分け始めたヒナ。
ふふっ!
やっぱりヒナは笑ってないとね!

「これは~?」

「あっ、十四松様、それは直接触ると手がかぶれてしまいます」

慌てて僕の手を取ると小川で洗ってくれるヒナ。
様づけってなんかくすぐったいな……
でも僕に世話を焼くとこは普段と変わらなくて嬉しい。



「ありがと。
きのこ足りる?」

「ええ、これでシチューが作れます。
ありがとうございました♪」

「さっきは何で泣いてたの?」

「え……っ!?
あ、お父様のことを思い出して……ちょっと悲しくなってしまったのです。
もう……私には何もありません」

「辛いの?」

「少し……
悲しみや苦痛があるのが当たり前ですから……
でも、自分の世界を変えられるのは自分だけ。
泣いてばかりではいられませんわ」

真っ直ぐに空を見上げるヒナはいつもと何にも変わらない。
ボクの大好きなヒナだ。



「そっか……エライんだね」

「あっ、私早く帰らなきゃ……っ
色々とありがとうございました、十四松様」

*「ねぇ、ヒナ、おうちに会いに行ってもいいかな?」

「お、うち……ですか……
家には、その……母達がいるので、もしかしたら会えないかもしれませんが……」

「大丈夫!会いに行くよ!」

「そう言ってくださると嬉しいです」

僕らは笑顔で向き合い、指切りをして別れた。
/ 313ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp